治療と経過

ノロウイルス感染症の診断と治療

クイックナビ

1.診断方法

ノロウイルス培養(増殖)方法がまだ見つかっていないため、糞便中のウイルスを直接検査する必要がある。ELISA法RT-PCR法が診断に用いられている。研究用検査試薬としては、「クイックナビ-ノロ」などがあり、糞便中のノロウイルス抗原をイムノクロマト法により検査し、15分で結果を知ることができる。健康保険の適応に関しては制約がある為、医師に確認することをお勧めする。



2.治療

ノロウイルス感染症に有効な治療薬はない。症状に対する対症療法を行っていくのだが、止瀉薬(下痢止め)の使用に関しては、ウイルスの排泄を阻害する可能性がある為医師に相談してから使用することをお勧めする。嘔吐が強く食事や水分を取れない場合は、病院を受診して点滴による補液で脱水予防をすること。経口摂取が可能な場合は、消化に良い食事やスポーツドリンクなど電解質を含んだ飲み物を常温〜温めにして飲むと良いでしょう。


ノロウイルス感染症の経過

・潜伏期間は約1、2日間程度。症状は発症後通常1、2日で治癒し後遺症が残ることはない。ただ、免疫力の低下した老人や乳幼児では重症化することがあり、吐物による窒息、誤嚥性肺炎 脱水症状等の二次的要因で死亡する例も報告されている。症状消失後も1、2週間程度は糞便からウイルスが検出される事もある。また、ノロウイルスに感染した状態であっても発症しないまま終わる場合(不顕性感染)や風邪症候群と同様の症状が現れる場合もある。ノロウイルスの流行する時期に嘔吐や下痢などの症状がある時は、自己判断せずに病院に受診することが大事でしょう。



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