感染対策と消毒方法

感染対策と消毒方法

手洗い例

・ワクチンや治療薬の開発が充分ではなく、免疫は感染者でも1〜2年で失われるといわれている。前述した特徴や感染経路を考慮すると、いかにノロウイルスを体内に入れないようにするかが1番の感染予防につながる。その為には感染経路の遮断が重要になってくる。



感染経路の遮断

・主に考えられる感染経路としては、
(1)ノロウイルスに感染した食事
(2)ノロウイルスに触れた自分の手
(3)感染者の手または感染者が触った環境
(4)嘔吐物や糞便の処理方法
などが考えられる。これらのどれかよって体内にノロウイルスが侵入すると感染が成立する可能性がある。


(1)ノロウイルスに感染した食事

・カキなどの二枚貝の生食せず充分に加熱する事が重要である。推奨では、85℃以上で1分以上の加熱でウイルスが死滅すると言われている。生食用と書いてあってもノロウイルスの危険性がないと言うわけではないので注意が必要である。(鮮度との因果関係はない!)また、調理者の手洗いや調理環境の充分な洗浄消毒が大事である。集団や組織の中で感染症状がある人がいたら、すぐに情報を共有し対策をとることが出来るシステムの構築と、ひとりひとりが知識を持ち伝播を食い止める働きが出来るような啓蒙活動も重要である。



ノロウイルス対策セット例

(2)ノロウイルスに触れた自分の手

・人の目で「ここからここは清潔。これは細菌、これはウイルスでしょう!」と言うように、区別することはまず不可能である。「自分の手は常に汚れている」という認識で手を洗う習慣をつける事が重要でしょう。ノロウイルスは、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム等)に抵抗性が強く、ブリーチ等の塩素系漂白剤(以後、次亜塩素酸ナトイウムと記載)での消毒効果はあるが手に使用するわけにもいかない・・・。とにかく手洗いをたくさんして、ノロウイルスの量を減らす事が1番の予防と考える。医療従事者であればプラスチック手袋を使用する事も効果的だか、手袋を脱いだ後の手洗いを忘れないようにする。最近では、ノロウイルスネコカリシウイルスF-9(ノロウイルス代替ウイルス)にも効果が期待できる手指消毒薬ウイル・ステラVなどもあるので使用してみるのも良いでしょう。(単価は今までの手指消毒剤とあまり変わらない印象)



(3)感染者の手または感染者が触った環境

・上記したように、人の手は色々な物を触り、触った部分にある細菌やウイルスを持ち運ぶ。いつどこでウイルスや細菌に接触するかは想像がつきません。そこで人がよく触る部分(ドアノブ、エスカレーターの手すり、パソコンのキーボード etc…)を次亜塩素酸ナトリウムで消毒するのが良いでしょう。調理器具等に関しても、ノロウイルスが流行する11月から春先にかけては、次亜塩素酸ナトリウムを用いて消毒を行うと良い。



消毒液作成例

(4)嘔吐物や糞便の処理方法

・自分もしくは周りの人が嘔吐や下痢をした場合、「ノロではないか?」と疑うことが大事である。嘔吐物や糞便の処理を適切に行えば問題はありません。処理の手順としては、使い捨ての布やキッチンペーパーなどに0/02%に希釈した次亜塩素酸ナトリウム湿布して、手袋をはいて包み込むようにふき取る。それを専用のゴミ袋を用意し始末する。ふき取った部分には、0.1%に希釈した次亜塩素酸ナトリウム液を含んだ布で10分間覆う事で消毒できるでしょう。飛び散った部分には、0.02%に希釈した次亜塩素酸ナトリウム液で拭き掃除をしましょう。布団類や衣類類に嘔吐物や糞便が付着した場合は、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に10分以上浸漬して洗濯をする。ソファーなど浸漬が不可能な場合は、アイロンのスチームを1〜3分程度あてる事も有効でしょう。事態が起こってから用意をするようでは遅いので、事前に必要物品を用意しておくと良いでしょう。ノロウイルス感染者が入浴する場合は、順番を最後にするか入浴後に浴槽や使用物品を次亜塩素酸ナトリウムで消毒するようにしましょう。タオルなどは別にすることをお忘れなく。



→嘔吐物や下痢による汚染された時の対処例(PDF)

  

ノロウイルス対策・嘔吐物処理セット 「おうとキット」

   

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